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歯科助手の仕事内容

歯科助手の身だしなみ

では、いよいよ歯科助手の具体的な仕事の内容に触れていってみましょう。まずは身だしなみです。「なんだ、そんなこと」とバカにしてはいけません。身だしなみを整えることが、歯科助手に限らず医療に携わる人のはじめの仕事と言えます。白衣などの清潔維持はもちろんのこと、爪を伸ばしてマニキュアを塗ることなどもご法度です。不潔な印象を患者に与えるばかりではなく、医療人としての自意識までも疑われてしまいます。また、長い爪は業務にも差し支えます。手は清潔に、爪は短くカットすることを心掛けましょう。また、髪の毛やアクセサリー類などについても、各医院で規則が設けられているはずです。できれば髪の毛は短く、アクセサリーは身につけずというのが理想的でしょうが、さすがにそこまで徹底することは不可能です。最低限、規則に従った身だしなみを心掛けましょう。

歯科助手の役割について

歯科助手の役割についてはこれまでも何度か触れてきましたが、もう少し掘り下げて触れてみましょう。歯科助手は、医師のアシスタントとして動く立場ですが、医師のアシストと一言で言っても、その業務内容は多岐に渡ります。それもそのはずで、歯科助手は治療に直接的に手を出さないとは言え、医師と共に治療の現場を共にするわけですから、基本的に医師と同等の知識があっても何ら不思議ではありません。数々の作業をアシストするにあたり、やはり相応の知識や技能が求められます。優秀な歯科助手は、医師にとっても心強いことでしょう。

また、歯科助手の仕事はそれだけではなく、電話対応や患者の誘導なども行わなければならないのは、以前話したとおりです。では、次項からはそれらの業務内容について、もう少し具体的に触れていきます。

患者への対応

歯科助手の仕事としてまず最初に、この患者への対応というのが挙げられます。たとえば受付業務。患者にとっては、この受付こそが最初の関門なので、医院へ患者を受け入れるにあたりもっとも大切な仕事と言えます。また、治療を終えた患者が、受付助手に色々と質問する場面はよく見られますよね。「麻酔が効いてるんだけど、飲み物は飲んでも大丈夫なの?」「車の運転に差し支えはない?」などです。こういった質問にも正しく、かつ迅速に対応するために、治療に関わる多くのことを知っておく必要があります。

また、電話対応においても同じことが言え、「治療後に歯茎が痛む」や、「歯が抜けた」などの問い合わせがあった時に、慌てふためいてしまっては患者も不安になります。「あそこの歯医者は頼りない」と言われないために、ここでもやはり事前に多くのことを学んでおく必要がありますね。

歯科助手の基本的な仕事

さて、歯科助手の業務は受付だけではありません。もちろん、医院によっては受付助手を専門的に行う歯科助手がいたりしますが、基本的に歯科助手の仕事は医師のアシストです。当然、治療の際に医師と肩を並べて治療に立ち会うことになります。治療に使用する器具の準備や洗浄の仕方や、患者の口内を照らすライトの扱い方などを覚えなければなりません。

また、患者の口内に溜まった唾液を吸い出すためのバキュームも、上手く使いこなせなければ助手は務まりません。それだけではなく、銀歯などを作る際、その模型となる型へ石膏をつぐ作業や、銀歯などを歯に合着させるためのセメントの練和なども、歯科助手の仕事であることがほとんどです。もちろん医院によってはそうでないところもあるでしょうが、歯科助手を勤め上げるにあたり、決して欠かせない業務と言えます。

石膏つぎについて

前項でも少し触れたこの「石膏つぎ」ですが、どういった作業なのかというと、銀歯を作る際、まず患者の歯の模型を作成するために、その型を取ります。型を取り終えると、今度はその型に石膏を流し込み、石膏が固まって歯の模型ができあがったところで、技工士が銀歯の作成に取り掛かるのです。この、石膏を流す作業を歯科助手がこなす場合がほとんどなのですが、単に石膏を流し込むとは言っても、実はこれにはちょっとしたコツが必要とされ、慣れない内は戸惑いを覚える作業といえます。

もっとも大切なのは、石膏を流し込む際に気泡を入れないことです。石膏の中に気泡が入ってしまうと、模型が完成した時にその部分が穴となってしまいます。それが運悪く銀歯を作成するのに支障をきたす部分に位置してしまったら、再びはじめから型を取り直す羽目になります。また、固まった石膏を型から外す際も十分注意しなくてはなりません。ここで割ってしまっては、元も子もありません。石膏つぎの作業は、もっとも頻度の高い作業だけに、歯科助手の腕が試される作業とも言えます。

セメント練和について

石膏つぎに続き、今度はセメントの練和作業です。これは、型をとって作成した銀歯を、患者の歯に合着する際に伴う作業です。銀歯を歯に合着するにはセメントが用いられるのですが、このセメントを練る作業が歯科助手の仕事であるというわけですね。歯科助手として初めてぶつかる壁がこのセメント練和でしょう。

セメントと水の配合分量をつかんでいないと、せっかくセメントを練っても「これは使えない」と医師から何度もダメだしされる羽目になります。もちろん最初から上手にできる人はいないので、先輩のやり方を見ながら覚えていきましょう。また、中には水を使用せず、練るだけで使用できるセメントなどもあります。歯科医療で利用されているセメントには主にグラスアイオノマーセメントとレジンセメントの2種類がありますが、自分の医院でどのようなセメントが使われているかを知っておくことも大切です。

診療介助についてその1

歯科助手としての基本的な業務をこなせるようになれば、今度は診療介助に携わることになります。これはつまり、実際の治療の際に、医師の補助をする役目を担うということで、たとえば麻酔や抜歯、銀歯の除去などを手伝うということですね。医師やベテラン助手の間で交わされるような専門用語を身につける必要がありますし、治療に使用される器具の名称や、それがどのように使用されるものなのかについても、十分な理解が必要です。また、歯科助手の正確な判断力が試されるところでもあります。

特に慣れないうちは、意外なところに失敗の落とし穴があったりと、一時も気を抜くことはできません。受付業務やセメント練和なども重要な仕事ですが、歯科医療における知識や応用力、また、衛生面や患者の精神面への配慮といった面からも、診療介助はもっともシビアに行わなければならない業務と言えるでしょう。

診療介助についてその2

では、具体的に診療介助を行うにあたり、どういったところに注意するべきなのでしょうか。少し触れてみましょう。まずは「麻酔」を使用する場合です。一日の患者の数にもよるでしょうが、ほとんどの歯科医院では毎日のように麻酔が使用されているのではないでしょうか。それだけ使用頻度が高いものだけに、麻酔における診療介助の注意点は、しっかりと心得ておきたいところです。

まず、実際に麻酔注射を行うのは当然のことながら、医師の仕事です。歯科助手はそのアシストをするわけですが、気をつけなければならないのは、使用後の注射へのキャップの装着です。もし注射針にキャップを装着する際、誤って針を指に刺してしまうと、感染症にかかる危険があります。注射をし終えたと言って、気を抜くことはできません。

診療介助について3

麻酔の他に、抜歯などの際も歯科助手は医師をアシストします。抜歯を行う際、患者に気をつけてもらわなければならない事項がいくつかあります。前日の飲酒や、夜更かしなどは避け、体調を管理してもらわなければなりません。また、できるだけ当日は車やバイクなどでの来院を避けてもらうに越したことはありません。麻酔を打った途端に気分が悪くなったり、抜歯後にふらふらしたまま車に乗り込んだりされると、非常に危険ですね。

普通は医師の方から患者に、そういった指示を行うかと思いますが、中には指示をよく聞いていなくて、歯科助手に改めて訪ねる患者もいます。その辺に関しても歯科助手は、しっかりとした知識を身につけておく必要があります。また、抜歯には色々な器具を用います。同じ名称の器具でも、さらに細かく分類されているものもあるので、これらを全て頭に入れておけば、優秀な歯科助手としての第一歩を踏み出せるでしょう。

歯科医療で使用される器具

さて、「診療介護について」でも触れましたが、歯科医療では様々な器具を使用します。ここでそれらについて少し触れてみましょう。まずは鉗子です。これはもっとも基本的な医療器具の一つでしょう。しかもこの鉗子にもまたいくつかの種類があります。前歯部用と臼歯部用に分かれているほか、上顎用と下顎ようにも分類されています。まずはこの鉗子の区別を覚えることが、診療介助の第一歩と言えそうです。

また、よく使用される器具としては挺子(ヘーベル)と呼ばれるものがあります。これは針のような器具で、歯と歯の隙間に挟み込んで歯を脱臼させたり、細かい汚れを取り除いたりするのに使用されますが、これもまた「針の向き」という微妙な使い分けをされているので、その用途などをよく知っておく必要があります。

コミュニケーションという仕事

ここで言うコミュニケーションとは、つまり患者の気持ちを思いやるという意味のコミュニケーションです。人間、医療の現場に身を置く時間が長くなればなるほど、治療を受ける患者の気持ちに鈍感になっていくものです。特にベテラン助手には、強くそれが求められます。たとえば、患者からの差し入れや、お中元などが贈られる場合なども、気持ちの伴わない返事を返してしまうという失敗は、新人よりもベテランの方が多いでしょう。歯科助手はもちろん受付での対応も行うので、いくら覚えなきゃならないことが目白押しで頭の中が一杯になっていても、患者への気配りや心遣い、思いやりは忘れずに、思いやりをもった仕事を心掛けましょう。医療に携わる人全員に言える仕事、それは、思いやりのあるコミュニケーションです。実質的な業務にかまけて、基本的な部分を見落とさないように気をつけたいところです。